店舗づくりコラム

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【銀座 蟹みつ】西原社長の成功ストーリー

新規開業や多店舗展開など、店舗デザイン・施工をはじめとし様々な店舗づくりの過程を弊社でサポートさせていただいたお客様を、通常の施工事例としてではなく、ビジネスの成功事例としてご紹介する本シリーズ。

記念すべき第1回となる今回は、『日比谷 蟹工船』、『銀座 蟹みつ』の二店舗を経営されているWINSコーポレーション株式会社の西原社長に、二店舗目である『銀座 蟹みつ』の成功の秘訣をインタビューしました。

二店舗目出店のタイミングとキッカケ

藤田:二店舗目を出店しようと考えたタイミング、キッカケについてお聞かせ下さい。

西原社長:やはり東京オリンピックですね。もともと日比谷で『日比谷 蟹工船』を営業していたのですが、銀座周辺には『蟹専門店』という業態が無かったので、もともと日比谷でやっていたノウハウを生かして「銀座で勝負したい。」という思いがありました。

東京オリンピックが2020年に開催されるという事でどんどん地価が上がっていく予想もあり、今のうちに場所をキープしておかないと先々の負担がさらに厳しいものになるだろうと考えていたので、ビジネスとしては若干時期が早いかも知れないという迷いもありましたが、このタイミングで出店を決断しました。

出店場所への思い

藤田:二店舗目出店の場所選びで苦労した点や、現在の場所に決めた理由などを教えてください。

西原社長:やはり7丁目8丁目ではなく、『THE・銀座』と言われるこのエリアに出店したかったので、初期費用や月々の家賃等も含めて、自分の考えている計画の中に収まる所を探すというのは大変でしたね。

今回非常に勉強になったこととして、銀座という街は簡単に出店できるものではありません。オーナー様は実績を非常に重要視されるので、良い場所に出店するにはオーナー様の信頼を得る必要があります。

実績と言っても、もともと弊社には日比谷のお店しかなかったので、実際オーナー様に日比谷のお店に来ていただいて、お店を経営する上でのスタンスや、「銀座という街で、こういうステータスを持って営業・経営していきたいので、場所を使わせて下さい」という交渉や説得をするのが非常に大変でしたね。

お客様への思いと配慮

藤田:当初想定されていたターゲット層がどの様な方で、実際にご来店されているお客様の層はどういった層の方が多いのでしょうか?

西原社長:当初考えていたターゲット層と、実際にご来店いただいているお客様に全く違いはありません。イメージしていた通りのお客様を、今現在は集客できていると思います。

オープン当初から、年齢層・男女比などなど、完全にターゲットを絞っていました。具体的には、この銀座という街で店を出したいと思ったときに、色んな所へ食事に行ってリサーチしたんです。

銀座3丁目に蟹の専門店があり、何度か行った事があるのですが、ランチの時間帯はご婦人方がゆったりと過ごされる感じが凄くいい雰囲気だったんです。お客様がお店の雰囲気というものを作って下さっていたというか。私が出店する二つ目のお店も、こんな雰囲気にしたいなと思いました。

一方、夜の時間帯については、『日比谷 蟹工船』は社用がメインとなるためそちらとお客様を取り合いしないよう、銀座のお店ではあくまでもプライベートでのお客様に来ていただこうというスタンスで、より多くのお客様にご来店いただく為に最初からターゲットを分けて考えていました。

藤田:先程、二店舗目出店のキッカケは東京オリンピックとお聞きしましたが、インバウンド(訪日外国人)のお客様に対しての対策などはされているのでしょうか?実際に訪日外国人のお客様はご来店されますか?

西原社長:国を挙げてそのように進んでいますし、観光ルートに必ず入っていると言っても過言ではない銀座ですので、インバウンドのお客様はやはり大変多いです。

もちろん、純和風を好まれる外国人観光客の方も多いのですが、誰にとっても座りやすいスタイルの方が求められているのではないかと考え、お座敷ではなく、あえてテーブル席をメインにしました。

デザイン・設計に対するこだわり

藤田:二店舗目のデザイン・設計で最もこだわった点を教えて下さい。

西原社長:とにかく、押し込みたくなかったと、いうのが一番のこだわりです。私なりに色々なお店に行って、このぐらい隣の席との余裕があると居心地が良いんだなとか、こんな空間だと落ちつけるんだな、窮屈に感じないんだな、と感じた事をそのまま今のお店に活かし、お客様にゆったりと、ゆっくりと食事をしていただける空間作りにこだわりました。

二点目は、このビルの特徴でもある「ガラス張り」ですね。やはり銀座の景色が一望できますので、この景色を眺めながらお食事を楽しんでいただきたいですね。外から見ると普通のビルに見えますが、エレベーターで上がって扉が開いた瞬間の雰囲気のギャップに『おっ!』と驚いていただけると思います。

藤田:私もあれ?ってなりました(笑)。エレベーターの扉が開いた瞬間、ん?間違えたかな?って思いました。どこかのホテルに来たかのようなお出迎えがあったので。

西原社長:はい、今おっしゃったように、ホテルやラウンジのような雰囲気もイメージしていたので、そう感じていただけると嬉しいです。

藤田:厨房でこだわった点はありますか?

西原社長:厨房もやはり、ゆとりですね。私自身も板前という仕事をしておりましたので、厨房が狭く動きづらいと必ず効率が悪くなることが分かっています。

お店のスタイルが蟹懐石ですので、どうしても大きな器を使ったり、一人のお客様に20枚くらいの器を使ったりしますので、調理や盛り付けの効率、一人ひとりの作業の動線を考えるとやはり、厨房にもゆとりが必要になってくるんです。それは一店舗目で感じていた事なので、それをそのまま反映した形になりますね。

余談ですが、『日比谷 蟹工船』でこれまでに一緒に仕事をした多くの板前さんのみながみな、「ここの厨房は非常に作業がしやすい」と言ってくれましたので、そこは全く変えず、そのまま同じレイアウトで作っています。

『日比谷 蟹工船』での経験を活かしたポイント

藤田:一店舗目で気づいた事、二店舗目に反映されている事などはありますか?

西原社長:営業している時のスタッフ同士の動きやすさ、ご案内のしやすさ、(店内の)見通しの良さ、などは一店舗目では働く側として少し不便な点がありました。

ホールスタッフにとって見通しの良い店内にする事は、行き届いたサービスを提供する上でも、無駄な人員を配置せず効率的にホールを回すことができ、人件費を抑えることができる点でも、店舗の設計上とても重要な事です。

また、座敷のスタイルが今の時代(高齢化社会・グローバル社会)にそぐわないことも肌で感じており、実際にお客様からもそういったお声をいただいていましたので、今回はそれらの教訓を踏まえてお店作りに当たりました。

デザイン・設計・施工の予算と実際

藤田:設計施工の予算と実際に掛かった費用、また、内装イメージと実際出来上がった店舗の印象について感想をお聞かせ下さい。

西原社長:結論としては、最初に考えていた予算からは大幅にオーバーしました(笑)!!

藤田:それはある程度想定されていましたか?

西原社長:もちろん、ある程度の予算オーバーは想定内でしたが、それも大幅に超えていました。ただ最初の段階で、弊社が希望していた坪単価に対して、やりたい事を叶えるためにはその予算では難しいと思う、という事を御社の佐野社長から言われていましたので、ではこれくらいで、という相談をしながら進めていきました。

パースが出来上がって、ここにはこんな和紙を使いたいとか、こんな仕上げが良いとか、良いものを選ぼうとすればやはりそれなりに値段もしますよね。でも、良いものを作りたかったので妥協はしたくないという思いがありましたし、御社からも、「本当に良いお店作りをしたいと思うから、ここにはこういった素材を使ってみてはどうか?」という、プロとしてのご提案をいただいたので、それであればお願いします、とアースラインさんを信頼してお願いする事にしました。

出来上がりを拝見した時には、それは見事な、まさに自分が想像していた通りのお店が出来上がっていて、実現できて、「あぁ、アースラインさんのことを信頼して良かったな」と強く思いました。

だから…初めに予算オーバーしちゃった分、早く取り返さなくちゃ(笑)!
とそれは冗談ですが、そういったことも、私自身にとって一つの勉強になりました。

藤田:恐縮です、ありがとうございます。では次の質問をさせていただきます。

デザイン会社探しと決め手のポイント

藤田:デザイン会社探し、決め手のポイントなどをお聞かせ下さい。

西原社長:物件を決めた後、さぁどうしようかと考え、マッチングサイトに登録しました。思ったより多くの会社にエントリーいただき、こちらの方で4社選ばせていただきました。その中でもアースラインさんが一番、私のやりたい事を上手く表現して下さったので、アースラインさんに決めました。

もともと、二店舗目を作ろうと思った時に、私としても勉強不足なところがあったので、インターネットなどを活用して自分なりに色々調べていたんです。そのときに見ていたのが、アースラインさんのホームページだったんです。それをずっと読みながら、初期投資はこれだけかかるんだな、だいたい坪単価このぐらいなんだな、と思いながら詳しく書かれた情報を読んでいました。

ただ、そうした私の事前リサーチとは関係なく、マッチングサイトに登録した際に偶然アースラインさんもエントリーして下さったのです。最初からアースラインさんに強い思い入れがあった訳ではないですが、各会社と打ち合わせをして、プレゼンをしてもらった中で、一番こちら側の思いを反映してくれていたのがアースラインさんでした。

どんな色がお好みですか?どんなイメージにしますか?どういったお客様をお呼びになりたいですか?だいたい何席ぐらい欲しいですか?というような様々な聞き取りをしてくれて、それに対して私が答えて、後日こんな感じになりましたと持ってきていただいたパースが、まさに私が想像した通りのものでした。本当に素直にすごいなと思いました。ここだな、と。

藤田:実は私たち自身は、他社のプレゼン内容を知れる事は無いんです。具体的にどのような点が決め手になりましたか?

西原社長:他と違ったところは、デザイナーの思い描くデザインじゃなく、私の思っていた事をそのまま形にしてくれたところですね。もちろん、デザイナーの方の色んな感性や感覚も大切だと思いますが、なぜこんな所にこんな物が置いてあるのかな?と思ったものありましたし(笑)。そういう意味でアースラインさんはあくまでもお客様の目線、お客様の立場になって、良い意味でデザイナーさんの思いが出しゃばらずに、私の思い描いた通りに上手くデザインしてくれました。

出店するにあたって様々な不安もありましたし、それなりに金額もかけますので、少しでも不安が残るようなカタチで進めたくなかったんですね。そういった点ではアースラインさんは物凄く信頼できましたね。心強かったです。

藤田:弊社代表の佐野の印象については如何でしたでしょうか?第一印象が怖いとよく言われているので…。

西原社長:でしょうね(笑)!
あれ?この方でいいのかな?というのが最初の印象でした。あの見た目なもんだから、こっちも話し方とか気をつけなきゃいけないかな、とかも思いましたけど、見た目とは違って非常に当たりがソフトで話しやすいし、ちゃんと話を聞いてくれるし、あのギャップがまた良いんでしょうね(笑)。

藤田:ありがとうございます(苦笑)。

二店舗を経営するための工夫

藤田:一店舗から二店舗になり、売上・従業員数・お客様の数、どれもが倍に増えますが、様々な管理が行き届くように工夫されている事があれば教えてください。

西原社長:管理が行き届くようにという点では、一店舗目と二店舗目を近くに置いて営業したかったというのがありました。すぐに行き来できるところで、お店の状況、スタッフの様子などを常に把握していたいと思っていたので。

私自身の考え方やスタンスをしっかり伝承して、理解してもらわない事にはお店を預ける事はできませんが、逆にその考え方をしっかりと理解してくれるスタッフさえいれば、信頼してお店を任せる事が出来るので、管理どうこうという事もありません。

どれだけ自分の周りにそういったスタッフを育てられるか、もしくは巡り合えるか、また、人を探す意識を常に持っているかどうかといった点も、多店舗展開を考える上では非常に重要になってくると思います。

藤田:それだけの人材を探すとなるとまた、それも大変ですよね。

西原社長:ええ、大変ですね。実は幸いなことに、このお店を任せている女将とマネージャーは、もともと『日比谷 蟹工船』で働いてもらっていたスタッフです。一度は退職してしまったのですが、次に自分が何かをやる時にはあの人にやって欲しいという思いがあり、二店舗目出店の際に声を掛け、有難い事にこちらに来ていただきました。

声を掛けた責任感の重みというのも感じています。これまでの縁、繋がりをいかに大事にできるかというのも、重要なポイントだと思います。

藤田:繋がりを大事にされている西原社長のお人柄は、御社のBBQに参加させていただいた時に非常に強く感じました(笑)。

西原社長:あれね(笑)!!ああいうのが、私の大事にしている時間というか、スタッフと共にみんなで盛り上げて行こうという気持ちになって、楽しく飲んでもらって、色々話しをしたりして、ああいった時間が私の喜びの一つでもありますね。

藤田:本当に素晴らしいBBQに呼んでいただき、とても幸せでした。ありがとうございました。

西原社長:いいえ、喜んでいただけて何よりです。

今後のビジョン

藤田:西原社長の今後のビジョンをお聞かせください。

西原社長:この『銀座 蟹みつ』という名前をブランド化して、『蟹』と言えば『蟹みつ』といったようなイメージを多くの方に持ってもらいたいと思っています。それと共に、2年後の東京オリンピックがこのブランド価値を広める一番の機会だと考えているので、そこをキッカケとしてまた今後の出店に繋げていきたい。その時は『蟹』の業態だけではなく、様々な業態で出店していきたいと考えています。

料理人というのはそれぞれ得意分野が違いますので、そういった料理人の思いをカタチにするという事をしたいなと思います。どんなジャンルの料理でも、強い思いと信念を持っている人であればお店は絶対に発展する、成功すると信じているので、そういうスタンスで様々なジャンルの店舗を出店してくことが、今後の私のビジョンです。

藤田:お忙しいなか貴重なお時間を頂き、誠に有難うございました。

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