店舗デザイン
美容クリニックを成功に導く内装デザインのポイントとは?|開業時にチェックすべき項目
いまや美容整形は、身近なものとなりつつあります。従来の「美容整形」にあった後ろめたさは薄れ、友人とSNSで新しいカフェの情報をやりとりするかのように、美容クリニックに関する情報交換が行われています。美容整形がカジュアル化してきたいま、どのような美容クリニックが求められているのでしょうか。
今回は、ウィズコロナ時代に患者さんが求める「美容クリニックの内装」や「立地の選び方」について、アースライン社長の佐野がご説明します。
目次
美容クリニック・美容皮膚科・店舗デザインの特徴とは?
美容クリニックの店舗デザインに欠かせないのは、「高級感」「清潔感」「安心感」でしょう。しかし、「高級感」はよい印象を与えますが、かえって落ち着かない場合もあります。たとえば、ヨーロッパのアールデコ調デザインは美しくラグジュアリー感が出るので、取り入れているサロンも多いようです。しかし、日本人が落ち着いた気持ちになれるのは、やっぱり「和」の空間ではないでしょうか。和テイストなインテリアや、カフェのようにおしゃれな場所は、多くの女性にとって居心地のいいものです。これから施術を行うのですから、「落ち着ける場」を患者さんに提供したいものです。
以前は美容整形というと高額であり、美容クリニックに訪れるのは、一部の限られた人でした。しかし美容整形が身近なものとなったいま、普通に隣にいるような人が美容整形を行っています。これから美容クリニックを開業するのであれば、華美で非日常的な空間よりも、誰もが落ち着いて過ごせる、居心地のいい空間がよいでしょう。
また、待合室がカフェのようになっていれば、日常的な空間に近くリラックスできそうです。いくら美容整形に対するハードルが低くなったといっても、患者さん同士が顔をあわせるのは抵抗感がありますが、カフェのように正面から向きあわない席の配置にすると、待ち時間もリラックスして過ごせます。クリニックづくりには、このような患者さんの気持ちを推し量った工夫が大切です。
同じ施術内容であれば、オシャレで居心地がいい空間で過ごしたいものです。いまは日帰りでできる施術も増えていますが、麻酔が切れるまでの数時間をクリニック内で過ごさなければならない場合もあります。そのためクリニックの内装をくつろげるものにすることは、これまで以上にに重要です。
失敗のないエリア・立地選びのポイント
多くの人が行き交うターミナル駅であり、何かのついでに立ち寄れる、オシャレなイメージのある駅の周辺がおススメです。
人の行き交うターミナル駅は集客が期待できる場所です。しかしどのような業種の経営者も狙う立地のため競合となる店舗も多いでしょう。賃料も高額になるため、十分な資金の確保が必要です。
また、駅前の繁華街やショッピングモールの一角など「ついでに」寄れる場所は、患者さんがクリニックに通いやすくおススメです。クリニックに行くためだけに、その場所にいかなければならないと、足が遠のいてしまいます。買い物ついでや会社帰りに寄れるような場所がいいでしょう。
じつは、駅名から受けるインパクトは、みなさんが思っているよりも大きいものです。「上野駅」といえば、美術館や動物園のイメージがありますし、「渋谷駅」といえば、若者でいっぱいなセンター街やスクランブル交差点がイメージされます。
そして「銀座」「青山」「表参道」といった駅名からは、オシャレな街、キレイになれそうなイメージが膨らむでしょう。先入観ではありますが、それを頼りに「このようなオシャレな場所で整形したい」と思う人は意外と多いものです。
さらにこれらの街には、実際に「美」に敏感な人やスタイリッシュな人も多く、患者さんに「この町にクリニックがあるのだから」といった安心感を与えます。支払う金額に違いがないのならば「オシャレな街のクリニックに行きたい!」と思うのは当然でしょう。
美容クリニックの開業の開業資金は?内装費用はどのくらいかかる?
規模によって異なります。30坪から60坪未満のクリニックなら、アースラインで施工する部分の内装工事費用(含む:電気、給排水、空調、換気)は、2,500~5,000万ぐらいになるでしょう。尚、こちらの金額に、施術用の機械などは一切入っていません。
クリニックの開業は、他の業種に比べ費用が多くかかります。しかし費用を抑えようとすると、どうしても安っぽくなってしまうのです。居ごこちのいい場所にしないと患者さんはいらっしゃらないので、ある程度のまとまった費用をかけて内装を作り上げる必要があります。
コロナ時代の内装デザインは「換気」が決め手
もっとも意識すべきは「換気」ですが、一般の店舗と異なり、窓は開けられません。一般の店舗であれば、窓を大きく開けることは「換気を行っている」というアピールになり集客につながります。しかしクリニックでは、外から患者さんが見えないよう、できるだけ窓は閉じておきたいのです。そのため「換気システム」を積極的に導入し、常にキレイな空気を提供するようにしましょう。
患者さんにしっかり換気を行っていることを知っていただくには、換気システムを利用している旨をポスターにして、待合室や受付などに貼っておくといいでしょう。先日行った飲食店では「2分40秒で空気が入れ替わります」と書かれたポスターをみかけました。このように伝えてもらえると、安心感がありますし、お店の誠実さも伝わってきます。
また「二酸化炭素濃度の測定器」の利用も検討しましょう。換気の状況が数値で表示されるので明確でわかりやすいですし、「まん延防止等重点措置」が適用されている地域では、すでに設置が義務付けられています。施術を行う美容クリニックでは、早めの検討がおススメです。
イスに×印を置いたりするのは、あまりスマートではないので、できれば避けたいですね。パーティションの代わりに植物を置いたり、本棚を置いたりするのもいいでしょう。患者さんに意識させず、人との距離がとれるような内装にしたいものです。
デザイン施工会社選びのポイントは?
「美容クリニック」の開業では、クリニック専門のデザイン会社を選ぶ方も多いでしょう。多くのクリニックを手がけた会社なら信頼できますがどうしても従来の「クリニックっぽい」店舗に仕上がってしまいがちです。こうなるとオシャレな空間にするのは難しいかもしれません。
かといってデザイン要素の強い会社を選んでしまうと、カッコよくて高級感があるクリニックはできますが、居心地のよさとは違ったものとなってしまう場合もあります。そのため、飲食店を含めた施工事例が豊富で、その土地のノウハウを生かした居心地のいいクリニックを提案できる「デザイン設計施工会社」がおススメです。
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