アースラインの考え方


【店舗内装】店舗を広く見せる内装とは?

新しい日常では、座席間にスペースを確保し、出入口付近には消毒液や検温のためのスペースも必要です。そのため室内は狭くなり、入口あたりは乱雑になりがち。このような中、店内を広く見せられれば、お客さまをゆったりとした気分にさせ、くつろぎを与えます。
今回は、アースライン社長の佐野が、内装で室内を広く見せる工夫についてご案内します。
広々とした店舗

空間を広く見せる効果があるのは白や暖色系の色

お客さまに、店舗を広く見せるにはどのような色を使うと良いですか?

「白」は膨張効果があるため、実際よりも店舗を広く見せます。洋服を選ぶときにも「白」はちょっと太って見え「黒」は痩せて見えると言われますよね。それと同じです。

また「暖色系」である赤色や黄色といった明るい色も「白」と同様、膨張して本来よりも大きく見せる特徴を持っているため「膨張色」と言います。その膨張効果のある「白」と「暖色系」をあわせた薄い色、パステルカラーなどは、狭いスペースを広くみせたいときに効果的です。

反対に、「寒色系」である紺や緑は縮んでいくようなイメージを与えるため、「収縮色」と言います。

店舗全体を「白」一色にしたら、広く見せる効果も高くなりますか?

全体を「白」にしても良いですが、色を効果的に使うためには、床を収縮色である寒色系の色にし、壁や天井は白色を基調とした色にするといいですね。それにより膨張色が際立ち、店舗を広く見せる効果があります。

この現象は、色と色の差が大きいと互いの個性が尊重される「明度対比」によるものです。同じ色ばかりでなく、明るさの違うものを隣り合わせることで互いの存在感を引き立ててくれるのです。

白や薄い色がお店のコンセプトにあわない場合もあると思うのですが

たしかにコンセプトによりますが、全体的に寒色系にしてしまうとかなり重い感じになります。そのため、1ヶ所の壁を寒色系や重厚感のある色にしてみるのも良いですね。それにより「明度対比」の現象で奥行感をあたえ、実際よりも広く見えるという視覚効果があります。
さまざまな色

インテリアや照明の工夫で、広い視野を確保

インテリアを使っても、店舗を広く見せられますか?

インテリアも効果的に使えば、お客さまに広さを感じてもらえます。先にお話ししたように床を寒色系、天井を暖色系にして広く見せる工夫がされているようであれば、その間に入るカーテンは中間色がおススメです。

中間色とは、それぞれの色の最も彩度が高い色(純色)に灰色を加えた柔らかみのある色をいいます。白と黒の間の色である灰色の範囲は広いですが、やはり薄い色の方が開放感を感じられ、膨張色である白やパステルカラーが窓をより大きく見せてくれるでしょう。

さらに壁に近い色のカーテンは壁が続いてるようにも見え、カーテンを閉めていても閉塞感が少なく感じられますし、柄のあるカーテンは、細かくて淡い色の方が大柄で濃い色より遠くにあるように見えます。

天井の方から長くカーテンを吊るせば、縦のカーテンの襞が高さを強調して広がりを感じさせ、ゴージャス感が生まれますね。

天井が高く見える店舗

広く見せるといえば、鏡を使うと奥にも部屋がつながっているように見えますね

鏡にこちら側の空間や外の景色が映りこむので視線が遠くまで広がり、空間を広く見せます。鏡の置き方によっては光を取り込み、室内を適度に明るく照らすなど、工夫次第でいろいろな使い方ができますね。

明るさで広さを感じさせるインテリアとしては、照明も効果的です。間接照明で壁面や天井、部屋の隅などを照らせば、深い奥行きや立体感を見る人に与え、広さを感じさせます。

店舗を広く見せるには、いろいろな方法がありますね

いずれも目の錯覚や視覚トリックではありますが、閉塞感を緩和させるよい方法だと思います。特に店舗の入口付近は広く見せたいですね。店舗の入口に人が集まっているように見えると慌ただしさや窮屈さが感じられ、店内に入る気がしなくなります。

また、床面が広く見えた方が視界が開けるため、インテリア最小限度に留めたいものです。消毒液などを置く必要がある場合は、足の細く長いテーブルなどを使うと床面が見えるスペースが増え、視界が広がります。

座席は思いきって少なく、ゆったりした空間を

ソーシャルディスタンスを確保するために、テーブルを一つ置きに使っている店舗も少なくないですね

イスを1つあけて座ったり、空いているイスにぬいぐるみを置いたりするなど、みなさんソーシャルディスタンスを確保するために、さまざまな取り組みを行っていますね。

思い切って座席数を少なくするのも良いと思います。使わないイスを置いておくよりもイスの数を減らし、イスはゆったりと座れるようなものに変え、お客様にくつろいで頂ける特別な場所を演出するんです。

でも席数を少なくしてしまうと、来客数や売上も少なくなってしまいますよね

席数が少ないという点は、テラス席などをうまく使えば席数を増やせます。2020年6月から、 テラス席を設けるための「道路占用の許可基準」が緩和されていますので、いまがチャンスですね。

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確かに来客数としては一時的に減る可能性はあります。しかし、ゆったりとしたくつろげるお店を体験したお客様はリピーターとなり、その後何度も来ていただけるものと期待できます。

くつろげるテラス席

座席数が少ないと言えば、喫茶店の「ルノアール」がありますね

「ルノアール」は、最近また人気が高まっているようです。いま欠かせない、Wi-Fiやコンセントがそれぞれの席にあるので仕事もしやすくゆっくりできるのでしょう。イスもゆったりとしていて、ソファーのような店舗もありますよね。

ルノアールには、お客さま同士のプライベート空間を確保するために「1坪あたり1.5席」という基本ルールがあるそうです。都心では同じルールではないのかもしれませんが、それでもかなり広いスペースがあります。ゆったりしているから、リピーターとなり何度も行くのです。

一方でコーヒーなどの単価は少し高めに設定されています。でも、それだけのスペースでゆったり過ごせ、しかもコーヒーを飲み終わってしまっても、無料でお茶も出してもらえる(笑)これだけお客さまの立場になった喫茶店は強いですね。コアなファンが多いのも頷けます。

ソーシャルディスタンスを保つなどのコロナウイルス対策は、いまだけのことではなく、今後数年にわたるものでしょう。そのため、店舗もこれまでのものにコロナウイルス対策をプラスして継続していくのではなく、コロナウイルス対策を含めた店舗のコンセプトからの見直しが求められていることと思います。それを店舗の内装にも上手く取り込んでいきたいものです。

店舗の内装デザインはアースラインにおまかせください!

店舗デザイン専門のエキスパート集団「アースライン」では、物件探しからアフターフォローまで店舗づくりをサポート。30年以上の経験に基づいた確かな知識と技術で、オーナー様が望むオンリーワンの店舗をカタチにします。

アースラインは、大掛かりな設備が必要な重飲食がもっとも得意。その経験に裏打ちされた確かな知識と技術で、どのような業態でも対応することが可能です。カフェやレストランなどの飲食店のほか、クリニック、サロン、アパレル、スクールなど幅広い業態の施工事例・実績をもっています。

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