店舗づくりコラム
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21:重飲食に対応した厨房設計のポイント
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重飲食に対応した厨房設計のポイント|店舗デザイン・設計・施工で失敗しない飲食店づくり
ラーメン店や焼肉店、中華料理店など、火力や油、煙を多く扱う「重飲食」の開業では、厨房設計が成否を左右する重要な要素になります。店舗デザイン・設計・施工の相談の中でも、「排気やダクトはどう計画すればいいのか」「物件がそもそも重飲食に対応できるのかわからない」といったお悩みは少なくありません。重飲食の厨房は、一般的なカフェなどと比べて設備への負荷が大きく、計画の甘さが開業後のトラブルや想定外の追加費用につながりやすい分野です。この記事では、重飲食を数多く手がけてきた経験をもとに、厨房設計で押さえておきたいポイントを、物件選びから設備計画、費用の考え方まで順を追って解説します。
重飲食とは何か|店舗デザイン・設計・施工の前に知っておきたい業態の特徴
まず、「重飲食」という言葉の意味から整理しておきましょう。重飲食とは、調理の際に強い火力を使い、煙・油・臭気・排水などが多く発生する飲食業態を指す、不動産・建築業界で使われる呼び方です。代表的な業態としては、ラーメン店、焼肉店、中華料理店、揚げ物を多く扱う定食店や居酒屋などが挙げられます。一方、ドリンクと簡単な調理が中心のカフェやバー、仕込み済み食材を温めて提供する業態などは「軽飲食」と呼ばれ、区別されることが一般的です。
なぜこの区別が重要かというと、重飲食は建物側に求める条件が格段に厳しくなるためです。強力な排気ダクト、十分な電気・ガス容量、大量の排水を処理する給排水設備、油分を分離するグリストラップ(排水中の油脂を溜めて分離する装置)など、厨房を支えるインフラが軽飲食とは大きく異なります。そのため、賃貸物件では「重飲食不可」という条件が付いているケースも多く、物件選びの段階から業態に合った見極めが欠かせません。なお、重飲食と軽飲食の線引きは法律で明確に定められているわけではなく、建物のオーナーや管理会社の判断によって扱いが分かれることもあります。「焼き物を少しだけ提供したい」といった中間的な業態では、想定しているメニューと調理方法を具体的に伝えたうえで、入居の可否や設備条件をすり合わせておくと、契約後の行き違いを防ぎやすくなります。判断に迷う場合は、物件探しの段階から専門家に相談しておくと安心です。
また、厨房設計は保健所の営業許可とも密接に関わります。シンクの数や手洗い設備、床や壁の仕上げなどの基準は自治体によって運用が異なる部分があるため、計画段階で管轄の保健所に確認しながら進めることが基本になります。私たちアースラインは、ラーメン店や焼肉店といった設備負荷の高い業態を多く手がけてきた経験から、店舗デザイン・設計・施工を一貫して計画することで、こうした条件を初期段階から設計に織り込むことを大切にしています。
排気・ダクト計画のポイント|煙と臭気への対策が重飲食の要
重飲食の厨房設計で、最も重要度が高いと言われるのが排気・換気の計画です。強い火力で調理を行う厨房では、大量の熱・煙・油分を含んだ空気が発生します。これを適切に排出できないと、店内に煙や臭いがこもって客席の快適性が損なわれるだけでなく、油汚れの蓄積による設備の劣化や火災リスクの増大にもつながりかねません。
排気計画で最初に確認したいのは、ダクトの経路です。厨房から屋外へ、どのようなルートで排気を導くのか。ビル内の店舗であれば、既存のダクトスペースが使えるのか、屋上まで立ち上げる必要があるのか、といった条件によって工事の規模と費用は大きく変わります。とくに焼肉店のように、客席ごとに排気設備を設けることが多い業態では、無煙ロースター(テーブルに排気機構を組み込んだ焼肉用コンロ)の方式選定と、それに合わせたダクト計画が設計の中心になります。
あわせて考えたいのが、近隣への臭気対策です。排気口の位置や向きによっては、隣接する建物や通行人に臭いや煙が流れ、クレームの原因になることがあります。脱臭装置やフィルターの設置、排気口の高さの工夫など、周辺環境に応じた対策を設計段階で検討しておくと、開業後のトラブルを抑えやすくなります。さらに、排気とセットで給気(新鮮な空気の取り入れ)の計画も欠かせません。排気量に対して給気が不足すると、ドアが重くなったり、冷暖房の効きが悪くなったりといった不具合が起こりやすくなります。排気・給気・空調をひとつの空気の流れとして設計することが、快適な店内環境づくりの土台になります。なお、ダクト工事の費用は、経路の長さや階数、防火区画(火災の拡大を防ぐために建物を区切る仕組み)の貫通箇所の有無などによって幅が出やすい項目です。同じ広さの店舗でも、1階の路面店と上層階のビル内店舗とでは条件が大きく異なるため、概算の段階から現地調査を踏まえた見積もりを取ることが、予算計画の精度を高めることにつながります。
給排水・グリストラップ・防水|水回りの計画が店舗の寿命を左右する
重飲食の厨房では、大量の水と油を日常的に扱います。そのため、給排水と防水の計画は、排気と並んで慎重に検討したい分野です。
まず給水・給湯については、洗浄や仕込みに使う水量が多いため、水道メーターの口径や給湯器の能力が業態の使用量に見合っているかを確認します。既存設備の能力が不足している場合は、引き込みや機器の増強が必要になり、その分の工事費用を見込んでおくことになります。
排水側で重要になるのが、グリース阻集器(グリストラップ)です。調理で発生した油脂をそのまま下水へ流すと、配管の詰まりや悪臭、下水道への負荷の原因になるため、飲食店では設置が必要になるのが一般的です。具体的な設置条件は、出店地域の下水道管理者などに確認します。設置場所は厨房内の床下やバックヤードなどが一般的ですが、容量の選定や清掃のしやすさまで考えて計画しておくと、日々の管理負担を抑えられます。あわせて、排水管の勾配(水が流れるための傾き)を確保できるかどうかも、床の高さや厨房レイアウトに影響する重要な確認事項です。
そして見落とされがちなのが床の防水です。水を多く使う厨房では、防水層の施工が不十分だと、階下への漏水事故につながるおそれがあります。とくにビル内店舗では、漏水が起きた場合の影響が大きいため、防水工事の仕様は入念に検討したいところです。床材についても、水や油に強く、滑りにくい仕上げを選ぶことが、スタッフの安全と清掃性の両面で役立ちます。あわせて、床に適切な勾配をつけて排水溝へ水を導く計画や、壁との取り合い部分の納まりまで丁寧に設計しておくと、水が溜まりにくく、日々の清掃が楽な厨房になります。こうした細部の積み重ねが、衛生的な状態を長く保ち、結果として店舗そのものの寿命を延ばすことにつながります。水回りは開業後に手を入れにくい部分だからこそ、最初の計画が重要です。私たちアースラインでは、設計から施工までを自社で一貫管理する体制を活かし、図面上の計画と現場の施工品質を一体で管理することを重視しています。
電気・ガス容量と厨房機器の計画|業態に合ったスペックの見極め方
厨房の心臓部である加熱機器や冷蔵設備を支えるのが、電気とガスのインフラです。重飲食では、ここでも一般的な店舗より大きな容量が求められます。
ラーメン店の寸胴を炊き続ける強力なガスコンロ、中華料理店の高火力レンジ、焼肉店のロースターなど、業態ごとに主力となる熱源は異なります。まず決めたいのは、メニューと調理オペレーションから逆算した機器のリストです。どの機器を何台使うのかが決まれば、必要なガス容量・電気容量が見えてきます。物件側の既存容量で足りない場合は、ガス管の引き込み増強や電気の契約容量アップ、幹線の引き直しといった工事が必要になり、規模によっては費用も工期も大きく変わってきます。
機器の選定では、新品と中古の使い分けも検討ポイントです。冷蔵・冷凍設備のように故障が営業に直結する機器は新品や保証付きのものを選び、汎用的な作業台やシンクは中古も活用する、といったメリハリのつけ方は、初期費用を抑える現実的な工夫のひとつです。また、熱を発する機器が多い厨房では、空調・換気とセットで熱環境を計画しないと、夏場の厨房が過酷な労働環境になってしまうことがあります。スタッフが長く働きやすい厨房は、採用や定着の面でもお店の力になります。
ガス機器や電気設備の設置には、消防や関係法令に基づく基準が関わる場面もあります。細かな運用は地域や建物によって異なることがあるため、計画段階から施工会社を通じて関係機関に確認しながら進めると安心です。また、意外な落とし穴になりやすいのが機器の搬入経路です。大型の冷蔵庫や食器洗浄機は、エレベーターや階段、通路の幅によっては搬入できないことがあり、その場合は分解搬入やクレーンでの吊り上げなど、追加の手間と費用が発生します。機器の選定とあわせて搬入経路を早めに確認しておくことも、厨房計画の大切な一部です。現地調査の段階でこうした点まで確認しておくと、工事中の想定外を減らすことができます。
物件選びと厨房レイアウト・費用の考え方|計画段階で差がつくポイント
最後に、物件選びとレイアウト、費用の考え方を整理します。重飲食の店舗づくりでは、物件契約の前にどれだけ設備条件を確認できるかが、その後のコストを大きく左右します。重飲食の入居可否、ダクト経路の確保、電気・ガス・給排水の既存容量、床荷重(重い機器を置ける床の強度)などは、契約前に確認しておきたい代表的な項目です。居抜き物件の場合も、前のお店の設備がそのまま使えるとは限らず、業態が変われば必要なスペックも変わるため、専門家による現地調査を挟むことをおすすめします。
厨房レイアウトでは、「仕込み→調理→盛り付け→提供→下げ物→洗浄」という作業の流れが交差しないように配置することが基本です。動線が整理された厨房は、少ない人数でもオペレーションが回りやすく、人件費の面でも効果が期待できます。客席とのバランスも重要で、重飲食では厨房が店舗面積の大きな割合を占めることもあります。席数を優先して厨房を狭くしすぎると、提供スピードが落ちて回転率に影響することもあるため、業態に合った配分を設計段階で見極めたいところです。また、保健所の検査や消防への届出など、開業までに必要な手続きのスケジュールも工期と一体で管理する必要があります。設計と施工の担当が分かれていると、こうした調整の橋渡しに手間がかかることもあるため、一貫して任せられる体制はスケジュール面でも利点があると考えています。
費用については、設備負荷の大きさから、重飲食は他業態より高めの水準になる傾向があります。目安として、重飲食の店舗づくりは10坪で1,000万円程度から、20坪で1,800万円程度からが一つの参考になります(物件条件や仕様により変動します)。ドリンク中心の軽飲食が10坪800万円程度からとされるのと比べると、設備工事の比重の大きさがうかがえます。費用に対する考え方や相談の流れについては、費用目安ページもあわせてご覧ください。実際の空間づくりのイメージは、施工事例ページでもご確認いただけます。
まとめ|重飲食の厨房設計は、店舗デザイン・設計・施工の一貫体制で
重飲食の厨房設計は、排気・ダクト、給排水と防水、電気・ガス容量、そして物件条件とレイアウトという複数の要素が絡み合う、専門性の高い分野です。どれか一つでも計画が不十分だと、開業後の営業や近隣関係、追加費用に影響が及ぶ可能性があるため、初期段階から全体を見通した計画づくりが重要になります。だからこそ、店舗デザイン・設計・施工を一貫して任せられる体制が力を発揮します。
株式会社アースラインは、23年以上の実績の中で、ラーメン店や焼肉店をはじめとする重飲食から、ミシュラン掲載の高級飲食店まで、設備負荷の高い店舗づくりを数多く手がけてきました。企画・店舗デザイン・設計・施工を自社で一貫管理し、東京23区を中心に全国対応が可能です。「この物件で重飲食ができるのか知りたい」という段階のご相談も歓迎しておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
株式会社アースラインです。お知らせなどを発信しています。
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