店舗づくりコラム

Blog


癒し空間を生み出す演出

『癒し空間』と一口に言っても種類は様々です。
近年では飲食店に癒しを求めるのは当たり前になっています。

特にカフェを利用する場合、リラックスできるか、ゆっくりできるかどうかを無意識に考えますよね。
そんな、今や必要不可欠な『癒し』の演出を施すにはどうしたら良いか、種類と注意点を一緒にご紹介します。

 

 

癒し空間 ① 『グリーン』

 

『癒し』と聞いてまずイメージするのが植物などの緑ではないでしょうか。
のんびりしたいときや癒されたいときに公園や植物園に行く人も少なくないですよね。
植物との関わりが人間の健康に良いことは古くから知られており、治療やリハビリテーションの領域で園芸療法としてすでに普及しています。

忙しい現代人が束の間の癒しを求めてカフェを利用するなら、緑の演出でさらに癒し効果を上昇させましょう。

 

 

庭が見えるテラスは一番スタンダードで取り入れやすい演出です。

スペースさえあれば手入れをしてたくさんの植物を育てることが可能でしょう。

また、そもそも庭は一般的にも植物が植わっているものというイメージがあるため、多少生い茂っていても違和感はなく、食事の邪魔もしないでしょう。

 

 

少し印象を変えるなら天井に植物を張り巡らせる手法もあります。

まるで藤棚のような演出で、お花が咲いていても素敵です。葉の間から木漏れ日がさすのも魅力的ですね。室内でも、植物のさらに上から自然光に近い照明を当てればテラスで過ごしているかのような気分を味わえます。

 

 

最後は店内を植物で装飾するパターンです。
非日常感のある店内は普段味わえない特別感を与えてくれます。

しかし、ここで知っておいて頂きのが、以前 別のブログ記事でもお伝えしましたとおり、緑や青などの寒色は食欲を減退させてしまう場合があるカラーだという事です。

植物に癒し効果があるからと言って、あまりに増やしすぎると折角の癒し空間も途端に居心地を損ないかねません。
食事するときに視界を邪魔しない程度に取り入れることが重要です。

 

癒し空間 ② 『アジアンテイスト』

 

リラクゼーションサロンなどによく見るアジアンテイストです。
アジアンテイストはバリ島などのリゾート地を連想させるため癒し空間と結びつくのでしょう。

 

 

天井が高く開放感のある内装にナチュラルな木目、さわやかな白のインテリア家具がアクセントになっていることが多いです。

 

 

こちらもナチュラルな木の色とさわやかな白いカーテン、植物の優しい緑以外に目立つ色はなく、目にも優しい落ち着いた空間です。
風に揺れるカーテンが想像できますね。

 

 

リゾート地は温暖な気候のため、壁のないつくりで風が吹き抜け、穏やかな時間を過ごせる、というような空間が容易に想像できるでしょう。
床・壁やインテリアその物の素材も自然色そのままのナチュラルテイストで、人の手が加えられていないという事が自然の温かみを感じさせます。

注意すべき点としては、寒々しく見えてしまう点です。
リゾート地などであればそもそも暖かい気候なので問題ありませんが、店内で再現する場合、季節感を出すことも大切ですので少々工夫が必要になるかもしれません。
ソファーやクッションカバーをノルディック柄等の柄物に変えるなど、時期によって雰囲気を変え、ぬくもりを感じられるアイテムに変更しましょう。

 

癒し空間 ③ 『 和 』

 

 

日本人としてはやはり『和』の世界観が一番ホッとできるテイストではないでしょうか。

フローリングもいいけれど、和室の畳から香るイグサのにおいは何とも落ち着きます。

海外の方からも日本特有の『和』の世界観はとても好評で、駅から近く交通の面でも便利なホテルではなく、多少繁華街から距離があっても昔ながらの『和』を堪能できる民宿や旅館をわざわざ選ぶという訪日外国人も少なくありません。

和食が無形文化遺産に登録されたことからも、海外から『和』の世界観が熱視線を浴びていることは明らかです。

来年の東京オリンピックにかけて、訪日外国人が増えるであろうことから、街中に洗練された『和』のデザインが増えていくと考えられます。

 

 

和室といえばやはり畳ですよね。
近年、日本においても和室のない建物が増えていますが、わざわざゴザを敷いて簡易的に和室を作り出す方もいるほどです。
それだけ、日本人と畳は切っても切れない関係なのでしょう。

 

 

『和』の飲食店といえば座敷をイメージしやすいですが、フロアを取り仕切る人が着物の場合、しゃがむのが大変な為、配膳や片付けなど全て一苦労です。
その為、座敷をなくし全部屋テーブル席でデザインすることもあります。
テーブル席でもここまで和を表現できますし、バリアフリーの観点からも座敷は何かと不便なので、
『和』のテーブル席も検討してみてはいかがでしょうか?

 

癒し空間 ④ 『スタイリッシュ調』

 

 

明るく爽やかな空間だけでなく、スタイリッシュな雰囲気も落ち着いてゆっくりできる癒し空間です。
代表的なものに『ブルックリンスタイル』というものがあります。
ブルックリンはNY州5区の一つで、多くのデザイナーやアーティストが居住し、古いマンションや倉庫が立ち並ぶ懐かしい雰囲気と数多くのショップで賑わうおしゃれ空間です。

 

ブルックリンスタイルの代表的なアイテムはレンガ・ウッド・レザー・アイアンなどが挙げられます。
中でもレンガ調はウォールステッカーなども種類が豊富で、意外にも取り入れやすく、一アイテムでぐっと雰囲気を出すことも可能です。

 

例えば、木目とアイアンを使ったスタイル。
本来であれば、温かみのある木目と無機質なアイアンは正反対のアイテムですが、あえてその二つを組み合わせることがブルックリンスタイルのオシャレなのです。
この組み合わせは近年注目を浴びているコンビネーションでカフェや雑貨屋さん、ファーマーズマーケットなどにも取り入れられています。

 

 

一貫して言えるのは照明がオレンジ色で全体的に若干薄暗く、ゆったりとした時間が流れる落ち着いた雰囲気という事です。
明るすぎない優しい照明の店内はのんびりするにはうってつけです。

注意点としては、アイテムの統一感です。小物使いで遊べるジャンルではありますが、合わせるアイテムによってはうまく溶け込まず、まとまらない可能性があるからです。

お勧めとしては、アイテムの色味、トーンを合わせることです。
トーンについてのブログ記事も以前アップしましたので良ければご一読ください。

 

まとめ

 

今回、代表的な4つをご紹介しましたが、『癒し』と聞いて思い浮かべるものは人それぞれです。
大切なのはオーナーであるご自身が癒される空間であるか、それは他の人にとってどうか、という点です。

ご自身はオーナーに徹し、お店の運営は他の人に任せるという場合は別ですが、ご自身のお店が一番長く居る場所になるはずですから、自分にとって居心地がいいことも勿論大切です。ですが、ご来店されたお客様にとっても居心地がよくなければリピーターになってもらうのは難しいでしょう。リピーターはお店を続けていく上で必要不可欠です。
客観的意見も大切に内装デザインを考えてみてはいかがでしょうか。

 

 

アースラインでは、物件見極めから、内装デザイン・設計施工まで一貫してご依頼を承ります。
ご希望のコンセプトに合わせてオシャレなデザインをご提案させて頂きますので、お気軽にご相談くださいませ。

 

 

関連する記事