店舗づくりコラム
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03:コンセプトづくりから始める繁盛店づくり|店舗デザイン・設計・施工の土台をつくる方法
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コンセプトづくりから始める繁盛店づくり|店舗デザイン・設計・施工の土台をつくる方法
「どんなお店にしたいですか?」――店舗デザイン・設計・施工の打ち合わせで、最初に問われるのがこの質問です。しかし、いざ聞かれると「なんとなくのイメージはあるけれど、うまく言葉にできない」と戸惑うオーナー様は少なくありません。実は、この「言葉にできない」状態のまま設計に進んでしまうことが、店舗づくりで後悔が生まれる原因になりやすいといわれています。コンセプトとは、お店の存在理由であり、空間・メニュー・サービス・価格のすべてを貫く軸のこと。この軸が明確であるほど、デザイナーや設計者はオーナー様の想いを正確に空間へ反映しやすくなります。この記事では、長く愛されるお店づくりに欠かせないコンセプトの考え方と、それを店舗デザイン・設計・施工に活かす具体的な方法を解説します。
店舗デザイン・設計・施工の出発点はコンセプト|なぜ「軸」がないと失敗しやすいのか
店舗づくりにおいて、コンセプトは単なるキャッチコピーではありません。お店のあらゆる判断基準となる「軸」です。この軸が定まっていない状態で店舗デザインや設計を始めると、打ち合わせのたびに方向性が揺れ、結果として「何を目指しているのかわからないお店」ができあがってしまうことがあります。
たとえば、内装の素材を選ぶとき。コンセプトがなければ「この素材は高級感があるからいいかも」「こっちのほうがコストを抑えられる」と、場当たり的な判断になりがちです。しかし「路地裏の隠れ家で、旬の和食を少人数に提供する大人の空間」というコンセプトが明確であれば、「この業態には天然木の落ち着いた質感がふさわしい」「照明は間接照明を中心にして親密な雰囲気をつくろう」と、判断に一貫性が生まれます。
コンセプトが果たすもう一つの重要な役割は、「お金をかけるところ」と「抑えるところ」の判断基準になることです。店舗は、こだわり始めるとどこまでも費用が膨らみやすい性質があります。コンセプトという軸があれば、「ここはお客様の体験に直結するから投資する」「ここはお客様の目に触れにくいから合理的に仕上げる」という優先順位が自然に見えてきます。限られた予算を最大限に活かすためにも、コンセプトの言語化は欠かせません。
さらに、コンセプトが整理されていると、見積もりの依頼や初回の相談もスムーズに進みやすくなります。「こういうお店をやりたい」が具体的な言葉になっていれば、店舗デザイン・設計・施工会社の側も必要な設備や工事の規模感をイメージしやすく、より精度の高い見積もりを早い段階で提示できるからです。
私たちアースラインでも、店舗づくりの初期段階でディレクター(専任の進行担当)がオーナー様の想いやビジョンをじっくりお聞きするのは、この「軸」を一緒につくるためです。コンセプトが固まってはじめて、店舗デザイン・設計・施工のすべてが同じ方向を向いて動き出します。
長く愛される店舗のコンセプトを支える5つの要素
コンセプトと聞くと「雰囲気やテイストを決めること」と思われがちですが、お客様に選ばれ続けている店舗のコンセプトには、もっと具体的な要素が含まれています。アースラインが23年以上にわたり、東京23区を中心に全国各地で数多くの店舗を手がけてきた中で、成功している店舗に繰り返し見られるコンセプトの構成要素を5つに整理しました。
■ 要素①:誰のための店なのか(ターゲット)
「20〜30代の女性」のような広い括りではなく、「記念日に大切な人と過ごしたいカップル」「接待で使える個室のある和食店を探しているビジネスパーソン」というように、利用シーンまで含めて具体的に描きます。ターゲットが明確であれば、客席の間隔、照明の明るさ、BGMの選定まで一貫した判断がしやすくなります。
■ 要素②:何を提供するのか(商品・サービスの核)
飲食店であれば料理のジャンルや看板メニュー、美容室であれば得意とする技術やスタイルの方向性です。「何でもできます」ではなく、「これだけは他店に負けない」という核を定めることが、お客様に選ばれる理由につながります。この核が決まると、厨房の設備構成や施術スペースのレイアウトなど、設計の方向性も自然に定まります。
■ 要素③:どんな体験を届けるのか(空間体験の設計)
お客様がお店に入った瞬間から退店するまで、どんな気持ちの変化を体験してほしいのか。アースラインの成功する店舗とは?のページでは、成功する店舗の条件として「退店時にもう一度訪れたいと思ってもらえるお店」を挙げています。この「もう一度来たい」を生み出す体験を、コンセプトの段階から意識しておくことが大切です。
■ 要素④:競合との違いは何か(差別化ポイント)
同じエリア・同じ業態のお店と比べたとき、自分のお店を選ぶ理由は何か。料理の質、空間の雰囲気、価格帯、接客スタイルなど、差別化の軸は複数考えられます。出店予定エリアの競合店を実際に訪れ、客層・価格帯・メニュー・内装の雰囲気を観察したうえで、自分のお店ならではの強みを言語化しましょう。
■ 要素⑤:価格と価値のバランス(コストパフォーマンス)
お客様が支払う金額に対して、料理・サービス・空間が「このお店は値段以上の価値がある」と感じられるかどうか。これはお客様に支持され続ける店舗の根幹をなす要素です。コンセプトの段階で客単価の目安を設定し、その価格に見合う空間のグレード感を店舗デザインに反映させることで、開業後のミスマッチを防ぎやすくなります。
コンセプトを言語化する実践ステップ|頭の中のイメージを「伝わる言葉」にする方法
コンセプトの重要性はわかっていても、「どうやって言語化すればいいのか」で手が止まるオーナー様は多いものです。ここでは、打ち合わせの場ですぐに使える実践的なステップをご紹介します。
■ ステップ1:「誰が・いつ・なぜ来るのか」を一文で書く
まず、ターゲットとなるお客様の利用シーンを一文にまとめてみましょう。「30〜40代のビジネスパーソンが、平日の夜に仕事帰りのリラックスした食事として利用する」「週末に家族で訪れ、子ども連れでもゆっくりランチを楽しめる」など、具体的な場面が浮かぶ一文にすることがポイントです。この一文が、客席の配置や営業時間、メニュー構成の指針になります。
■ ステップ2:「このお店を一言で表すなら?」に答える
友人に「どんなお店をやるの?」と聞かれたときに、20文字以内で答えられるフレーズを考えます。「路地裏の大人が通う炭火焼き鳥」「都心で味わう産地直送の海鮮居酒屋」「女性一人でも入りやすい本格スパイスカレー」など。この短いフレーズが、店舗デザインの方向性を決めるキーワードになります。長い説明が必要なコンセプトは、設計者にもお客様にも伝わりにくい傾向があります。
■ ステップ3:「やらないこと」を決める
コンセプトを明確にするうえで意外と効果的なのが、「やらないこと」を決めることです。「テーブル席は置かずカウンターのみにする」「ランチ営業はしない」「メニュー数は10品以下に絞る」など、あえて選択肢を狭めることで、お店の個性が際立ちます。「やらないこと」が決まると、必要な厨房設備や客席数も絞り込まれるため、設計の精度が上がり、無駄な費用を抑える効果も期待できます。
■ ステップ4:参考にしたいお店をリストアップする
自分が理想とするお店を3〜5店舗リストアップし、それぞれの「どこが好きなのか」を具体的に書き出します。「照明が暗めで落ち着く」「カウンター越しに調理が見えるライブ感」「器と盛り付けの美しさ」など、好きなポイントを分解することで、自分のコンセプトに取り入れたい要素が見えてきます。このリストは、デザイナーとの打ち合わせで非常に役立つ資料になります。
■ ステップ5:コンセプトシートにまとめる
ステップ1〜4の内容を、A4用紙1枚にまとめましょう。ターゲット、利用シーン、一言コンセプト、やらないこと、参考店舗と好きなポイント、客単価の目安、差別化ポイント。これらを整理した「コンセプトシート」があるだけで、店舗デザイン・設計・施工会社との初回打ち合わせの密度が格段に上がります。コンセプトが言語化されていれば、会社側も必要な工事範囲や設備規模を具体的にイメージでき、見積もりの精度やスピードも向上します。アースラインでは、初回のヒアリングでこうした情報を丁寧にお聞きしながら、まだ整理しきれていない部分もディレクターが一緒に言語化するお手伝いをしています。
コンセプトが店舗デザイン・設計・施工にどう反映されるか|具体例で見る「軸」の力
コンセプトを言語化できたら、次はそれを実際の空間に落とし込む段階です。ここでは、コンセプトが店舗デザイン・設計・施工の各工程にどのように反映されるかを、具体的なケースで見てみましょう。
■ ケース1:「大人が通う隠れ家割烹」の場合
このコンセプトであれば、外観はあえて控えめにし、看板も最小限にとどめます。エントランスには暖簾や灯りで奥行き感を演出し、「見つけた人だけが知っている特別感」をデザインで表現します。店内は個室または半個室を中心としたレイアウトとし、カウンター席は大将との距離感を大切にした設計に。照明は間接照明を基本とし、器や料理が映える色温度を選定します。施工面では、天然木や左官壁など経年で味わいが出る素材を選ぶことで、時間とともにお店の雰囲気が深まる空間に仕上がります。個室中心のレイアウトは客単価を高く設定しやすく、接待や記念日といった目的来店を促す効果も見込めます。プライベート感のある空間が、コース料理を中心とした高単価メニューとの相性を高めてくれるのです。
■ ケース2:「活気あるオープンキッチンの焼肉店」の場合
こちらは隠れ家割烹とはまったく異なるアプローチです。外観は大きなガラス面で店内の活気を通りに伝え、看板もインパクトのあるデザインにします。客席からキッチンが見えるオープンなレイアウトとし、ライブ感のある空間をつくります。焼肉店は重飲食に該当するため、設計段階で排煙・換気設備の容量計算が欠かせません。各テーブルのロースターの配置と排煙ダクトの経路を綿密に計画し、お客様が快適に食事を楽しめる空気環境を確保します。アースラインは創業以来、重飲食の施工を数多く手がけてきた実績があり、こうした設備負荷の高い業態の設計・施工を得意としています。施工では、油汚れへの耐性が高い素材を壁や床に採用し、日々の清掃がしやすい仕上げにすることがポイントです。清掃のしやすさは営業時間外の作業負担を減らし、客席の回転率を落とさない運営体制にもつながります。結果として、長期的なメンテナンスコストの削減と、安定したオペレーションの両立が期待できます。
このように、コンセプトが違えば、同じ「飲食店」でも外観・レイアウト・素材・設備のすべてが異なる判断になります。逆に言えば、コンセプトが曖昧なまま進めると、これらの判断がバラバラになり、統一感のない空間になってしまう可能性があるのです。
コンセプトを「ブレさせない」ために|店舗づくりのパートナー選びで見るべきポイント
せっかく明確なコンセプトをつくっても、それを正しく理解し、空間に反映できるパートナーがいなければ意味がありません。コンセプトを軸にした店舗づくりを実現するために、店舗デザイン・設計・施工会社選びで確認しておきたいポイントをお伝えします。
■ コンセプトを深掘りしてくれるか
最初の打ち合わせで、いきなり「どんな内装にしますか?」と素材やレイアウトの話に入る会社には注意が必要かもしれません。コンセプトを丁寧にヒアリングし、「そのお店は誰に来てほしいのか」「お客様にどんな体験を届けたいのか」を一緒に考えてくれる会社こそ、信頼できるパートナーといえます。アースラインでは、ディレクターがオーナー様のご希望だけでなく、出店エリアの客層や競合環境も踏まえたうえで、コンセプトの精度を高めるお手伝いをしています。
■ コンセプトを空間に変換した実績があるか
施工実績を確認する際は、単に「きれいな写真」を見るだけでなく、「その空間がどんなコンセプトに基づいてつくられたのか」というストーリーまで説明してくれる会社を選ぶのがおすすめです。空間の意図を言語化できる会社は、オーナー様のコンセプトを空間に反映する力も高い傾向があります。アースラインの施工事例ページでは、重飲食からミシュラン掲載の高級店まで、さまざまな業態の施工事例をご覧いただけます。
■ デザイン・設計・施工を一貫して管理できるか
コンセプトがブレやすいのは、工程の「受け渡し」のタイミングです。デザイン会社と施工会社が別の場合、デザインに込めたコンセプトの意図が施工現場にうまく伝わらず、仕上がりがイメージと違ったというケースも珍しくありません。店舗デザイン・設計・施工を一つの会社で一貫管理する体制であれば、コンセプトが最初から最後まで薄まらずに空間に反映されやすくなります。アースラインでは、企画からデザイン・設計・施工までをトータルプロデュースする体制で、オーナー様の想いを一貫してお店に届けています。
まとめ|コンセプトは店舗デザイン・設計・施工のすべてを導く羅針盤
お客様に選ばれ続けるお店には、明確なコンセプトが空間のすみずみまで行き渡っているケースが多いように感じます。コンセプトは、店舗デザイン・設計・施工のすべての判断を導く羅針盤であり、予算配分の優先順位を決め、お客様に「また来たい」と思ってもらえる空間体験を生み出す土台でもあります。そして、コンセプトが言葉になっていれば、見積もりや相談の段階から話が具体的に進み、店舗づくり全体のスピードと精度が変わってきます。「まだコンセプトが固まっていない」という段階でも心配はいりません。信頼できるパートナーと対話を重ねる中で、輪郭は少しずつ見えてくるものです。
株式会社アースラインは、23年以上の実績と、重飲食からミシュラン掲載の高級店まで幅広い業態を手がけてきた経験を活かし、コンセプトの言語化から店舗デザイン・設計・施工までをワンストップでサポートしています。東京23区を中心に全国対応が可能ですので、「どんなお店にしたいか、まだ漠然としている」という段階からでも、お気軽にご相談ください。費用の目安は費用目安ページでもご確認いただけます。
株式会社アースラインです。お知らせなどを発信しています。
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