店舗づくりコラム
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07:業態別の費用の目安と節約のポイント|店舗デザイン・設計・施工で賢くコストを抑える方法
目次
業態別の費用の目安と節約のポイント|店舗デザイン・設計・施工で賢くコストを抑える方法
「うちの業態だと、店舗デザイン・設計・施工にいくらかかるのだろう?」――開業準備を始めたオーナー様の多くが、最初にぶつかる疑問ではないでしょうか。前回の記事では、店舗工事費の構成と総額に影響する要因を整理しました。今回はもう一歩踏み込み、飲食店(重飲食・軽飲食・高級飲食店)、美容室・サロン、物販という業態ごとに、費用の目安と「どこを抑えられるのか」というコスト管理の考え方を解説します。業態によって、お金をかけるべき箇所と工夫で抑えられる箇所はまったく違います。自分の業態に合った節約のポイントを知ることが、限られた予算で理想の店舗を実現する第一歩です。
業態別の費用相場 早見表|店舗デザイン・設計・施工の坪単価と総額の目安
最初に、業態別の費用の目安を一覧で整理します。これらは私たちアースラインがこれまで手がけてきた施工実績をもとにした目安で、物件条件・仕様・立地によって変動します。
| 業態 | 費用の目安 | 費用が変動しやすい主な要因 |
|---|---|---|
| 重飲食 (居酒屋・和食・中華・寿司・焼肉など) |
10坪:1,000万円〜 20坪:1,800万円〜 |
排煙・換気・厨房設備の負荷、ダクト経路 |
| 軽飲食 (カフェ・バーなど) |
10坪:800万円〜 | 世界観をつくる内装デザインの作り込み |
| 高級飲食店 | 一般店舗:坪単価90〜100万円程度 高級店舗:坪単価120万円〜 |
素材・仕上げ・照明など細部のグレード |
| 美容室・サロン | 坪単価90万円〜 | 水まわり工事、シャンプー台などの設備 |
| 物販 (アパレル・雑貨など) |
坪単価70万円〜 | 陳列什器・照明計画 |
業態ごとに費用感がここまで違うのは、必要な設備の量と内装に求められるグレード感が異なるためです。重飲食は「設備にお金がかかる業態」、高級飲食店は「内装の細部にお金がかかる業態」、美容室は「水まわりの工事費がかさむ業態」、物販は「比較的設備負荷が軽い業態」――この特性を理解しておくと、自分のお店で「どこに費用が乗りやすいか」が見通しやすくなります。
なお、近年は材料費・人件費の高騰により、坪単価そのものが上昇傾向にあります。費用の考え方やご相談の流れは、アースラインの費用目安ページでもご確認いただけます。
飲食店の費用と節約のポイント|重飲食・軽飲食・高級飲食店
飲食店は店舗工事の中でも特に費用の幅が大きい業態です。重飲食・軽飲食・高級飲食店の3タイプそれぞれで、コスト構造と節約のポイントを見ていきます。
■ 重飲食(居酒屋・焼肉・ラーメンなど):設備の選び方が総額を左右する
重飲食では、排煙ダクト・換気設備・厨房機器・防水処理といった設備工事が総額の大きな割合を占めます。10坪1,000万円〜、20坪1,800万円〜という目安も、この設備負荷の大きさが反映されたものです。
節約のポイントは、まず厨房機器を新品にこだわらず、リユース品や中古機器を組み合わせること。冷蔵庫やフライヤーといった汎用性の高い機器は、信頼できる中古市場が成立しています。次に、居抜き物件で同業態の設備を引き継ぐことです。前テナントが同じ業態であれば、ダクト経路や排水設備をそのまま活用できる場合があり、新設に比べて工事費を抑えやすくなります。ただし、設備の老朽化や容量不足には注意が必要で、専門家に状態を確認してもらうことをおすすめします。
一方で、排煙・換気の容量は安易に削らないことをおすすめします。ここを削ってしまうと、お客様が煙やにおいに不快感を覚え、リピートにつながりにくくなるためです。「お客様の体験に直結する設備」と「裏方の機器」を切り分けて、メリハリをつけることが、コスト管理のポイントです。
■ 軽飲食(カフェ・バー):内装の世界観で「予算の優先順位」を決める
軽飲食は10坪800万円〜と、重飲食に比べて初期費用を抑えやすい業態です。設備負荷は小さい反面、お客様が「居心地」を求めて来店するため、空間の世界観づくりに費用が出やすい傾向があります。
節約のポイントは、「お客様の目線に入る場所」と「目線に入らない場所」を切り分けること。客席の壁・床・照明には予算を配分し、バックヤードや収納部分は機能性重視の合理的な仕上げにする、という考え方です。素材選びも、天然木や左官壁といった高単価素材を全面に使うのではなく、「アクセントになる一面だけに使う」といった工夫で印象を保ちつつコストを抑えることができます。
■ 高級飲食店:「品質を落とさず抑える」という発想に切り替える
高級飲食店は、坪単価90〜100万円程度(高級店舗は120万円〜)と、坪単価そのものが高い業態です。客単価に見合う空間の質が求められるため、安易に費用を削ると、かえってお店の価値を下げる結果になります。
節約のポイントは、「安くする」ではなく「無駄をなくす」という発想です。たとえば、こだわりたい素材を絞り込み、ここぞというポイントに集中投資する。照明・什器・サイン計画を初期段階から一体で設計し、後からの追加・変更を最小限に抑える。こうした計画段階での精度が、最終的なコストパフォーマンスを大きく左右します。アースラインでは、ミシュラン三ツ星「日本料理 龍吟」をはじめ、ミシュラン掲載店舗の施工も手がけており、こうした高級飲食店ならではの予算配分のノウハウを蓄積しています。
美容室・サロンの費用と節約のポイント|水まわりと動線設計が予算を決める
美容室・エステ・ネイルサロンといった業態は、坪単価90万円〜が目安です。飲食店と異なり厨房はありませんが、シャンプー台や手洗い設備などの水まわり工事と、施術台・待合いを含めた動線設計が費用に大きく影響します。
■ 水まわりがコストを押し上げる理由
美容室の場合、シャンプー台の設置位置によって給排水管の引き回しが大きく変わります。物件の元の配管位置から離れた場所にシャンプー台を置こうとすると、床下に追加配管を通す工事が発生し、その分のコストが上乗せされます。エステサロンやネイルサロンでも、施術スペースに近い場所に手洗いを設置するための水まわり工事が必要になるケースが多くあります。
■ 節約のポイント①:物件の既存設備をできる限り活用する
水まわりのコストを抑える最大のポイントは、物件選びの段階で既存の給排水位置を確認し、それを活かしたレイアウトを組むことです。同じ業態の居抜き物件であれば、シャンプー台や鏡の位置をある程度引き継げる場合もあり、大幅なコスト削減につながります。とはいえ、前テナントの設備が老朽化している、自分のサロンのコンセプトに合わないといった場合は、無理に活用すると逆効果です。物件の見極めの段階から、店舗デザイン・設計・施工会社に相談することをおすすめします。
■ 節約のポイント②:施術空間と待合いのメリハリ
サロンの空間は、お客様が長時間滞在する「施術空間」と、短時間しか過ごさない「待合いスペース」に分かれます。お客様の体験の質を左右するのは圧倒的に施術空間のため、ここに予算を集中し、待合いはシンプルかつ清潔感のある仕上げにとどめる、というメリハリが有効です。鏡や什器は、デザイン性とメンテナンス性を兼ね備えた既製品をベースに、お店のコンセプトに合わせてアレンジすることで、オーダーメイドより費用を抑えやすくなります。
■ 節約のポイント③:照明計画をプロに任せる
美容室・サロンでは、照明の色温度や明るさが施術の仕上がりやお客様の印象を大きく左右します。安価な照明を多数設置するよりも、適切な位置に必要な数の照明を配置するほうが、コストパフォーマンスも見栄えも良くなることがほとんどです。照明計画を含めた設計を一貫して任せられる会社を選ぶと、過剰な照明投資を避けられます。
物販店舗の費用と節約のポイント|陳列什器と照明で売上が変わる業態
アパレルや雑貨などの物販店舗は、坪単価70万円〜と、これまで紹介した業態の中では比較的費用を抑えやすい業態です。設備負荷が軽く、給排水・換気の工事費がかさみにくいためです。一方で、商品の見せ方によって売上が大きく変わるため、陳列什器と照明への投資が成否を分けます。
■ 陳列什器は「造作」と「既製品」を組み合わせる
物販店舗の費用で大きな割合を占めるのが、陳列什器・ハンガーラック・棚などの造作工事です。すべてをオーダーメイドで作り込もうとすると、内装工事費を大きく押し上げます。
節約のポイントは、店内の「主役の什器」だけを造作にし、それ以外は既製品やセミオーダーで揃えること。たとえばエントランス正面のディスプレイ什器や、ブランドの世界観を象徴する一面の壁面什器だけを造作にして、店奥の補助的な什器は既製品で対応する、という考え方です。これだけでも、什器コスト全体を抑えながら、お客様の印象に残る空間を実現しやすくなります。
■ 照明は「明るさ」より「演出」に投資する
物販店舗の照明は、店内全体を均一に明るくするだけでは商品の魅力が伝わりません。スポットライトで主力商品を照らす、什器の中に間接照明を仕込んで質感を引き立てるといった演出照明の有無が、商品の見え方に大きな差を生みます。一方で、ベース照明(全体を照らす照明)は過剰にこだわらず、合理的な仕様で十分なケースが多いものです。「演出にお金をかけ、ベースは抑える」というメリハリが、物販店舗の照明計画の基本です。
■ 内装は「商品の引き立て役」に徹する
物販店舗で意外と見落とされがちなのが、内装そのものは主張しすぎないほうがよい、という点です。壁・床・天井のデザインを凝りすぎると、肝心の商品が空間に埋もれてしまうことがあります。シンプルな内装を基本とし、商品が引き立つ空間にすることで、内装のコストを抑えつつ売上にもつなげやすくなります。アパレルから雑貨まで、物販店舗の施工事例は施工事例ページでもご覧いただけます。
業態を問わず使える、店舗デザイン・設計・施工の節約3原則
ここまで業態ごとの節約ポイントを見てきましたが、どの業態にも共通する「賢くコストを抑える原則」があります。最後にこの3原則を整理します。
■ 原則①:計画段階から専門家に相談する
費用を最も大きく左右するのは、実は工事内容の選定よりも計画段階の判断です。物件選びの段階で「この物件は自分の業態に向いているか」「既存設備をどこまで活かせるか」を見極めずに契約してしまうと、契約後に大きな追加工事費が発生することがあります。物件契約前から店舗デザイン・設計・施工会社に相談することで、こうしたリスクを早期に発見し、トータルコストを抑えやすくなります。
■ 原則②:「お客様の体験」を基準にメリハリをつける
予算配分の判断軸は、「お客様の体験に直結するかどうか」です。お客様の目に触れ、印象に残り、リピートを左右する箇所には惜しまず投資し、バックヤードや裏方の設備は機能性重視で合理的に仕上げる。この判断基準を一貫して持つことで、限られた予算が最大限の効果を発揮します。コンセプトが明確であればあるほど、このメリハリの判断もしやすくなります。
■ 原則③:デザイン・設計・施工を一貫管理できる会社に任せる
デザイン会社・設計事務所・施工会社が別々の場合、工程の受け渡しのたびに見積もり調整や仕様変更が発生し、結果として総額が膨らむことがあります。デザインから施工まで一つの会社が一貫管理する体制であれば、初期段階から施工を見据えた設計が可能になり、無駄な工程・無駄な材料・無駄な調整時間を最小限に抑えられます。私たちアースラインでは、企画・店舗デザイン・設計・施工までを自社でワンストップ提供することで、品質を保ちながらコストの最適化を図る体制を整えています。
まとめ|業態を理解し、メリハリのある投資で理想の店舗を実現する
店舗デザイン・設計・施工の費用は、業態によって構造そのものが異なります。重飲食は設備、軽飲食は世界観、高級飲食店は素材の細部、美容室は水まわり、物販は陳列什器と照明――業態ごとに「お金がかかりやすい箇所」を理解したうえで、お客様の体験に直結する部分に投資し、それ以外は工夫で抑える。このメリハリをつけられるかどうかが、限られた予算で理想の店舗を実現する分かれ目になります。そして、計画段階から信頼できるパートナーと相談することが、結果的に無駄なコストを抑える有効な方法です。
株式会社アースラインは、23年以上の実績と、軽飲食からミシュラン掲載の高級店、美容室・サロン、物販まで幅広い業態を手がけてきた経験を活かし、企画・店舗デザイン・設計・施工をワンストップで提供しています。「自分の業態だとどのくらい予算が必要か」「この予算でどこまで実現できるか」といったご相談からでも、お気軽にお問い合わせください。費用の考え方やご相談の流れは費用目安ページでもご確認いただけます。
※近年、工事材料費や人件費の高騰で2年前と比較すると15%以上もアップしているのが現状です。
株式会社アースラインです。お知らせなどを発信しています。
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