店舗づくりコラム

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02:店舗デザイン・設計・施工まで流れを徹底解説

店舗デザイン・設計・施工まで流れを徹底解説

店舗デザイン・設計・施工――店舗づくりはこの3つの工程を順に経て完成します。前回の記事では開業までの全体像をお伝えしましたが、「それぞれの工程で具体的に何が行われているのか」まではまだ見えにくいのではないでしょうか。実は、店舗デザイン・設計・施工の各工程では、空間の印象だけでなく、お客様の体験、設備の実現可能性、法規制への適合といった多くの判断が積み重ねられています。そして、この3つの工程がどれだけスムーズに連携するかが、最終的な仕上がりの質を大きく左右します。この記事では、各工程の「中身」と「工程間のつながり」にフォーカスして深掘りします。各工程で何が判断されているかを知っておくことで、打ち合わせの場でオーナー様ご自身が的確な質問や判断ができるようになるはずです。

店舗デザイン・設計・施工|3つの工程の違いとつながり

まず、3つの工程の役割を簡潔に整理しておきます。店舗デザインは、コンセプトを視覚的な空間表現に変える工程。設計は、そのデザインを施工可能な図面と設備計画に落とし込む工程。施工は、設計図面に基づいて実際に工事を行い、空間を完成させる工程です。

重要なのは、この3つが一方通行ではないということです。デザインの段階で施工上の制約を考慮しなければ、設計で実現不可能な箇所が出てきます。設計の段階で現場の寸法や設備条件を正確に把握していなければ、施工時に図面との食い違いが発生します。つまり、各工程が次の工程の「現実」を理解しながら進むことで初めて、仕上がりの質が担保されるのです。

以降のセクションでは、それぞれの工程の中で「何が判断され、どこで品質の差が生まれるのか」を見ていきます。

店舗デザインの仕事|コンセプトを空間体験に変える工程

店舗デザインと聞くと「内装の見た目を決めること」と思われがちですが、実際の役割はもっと深いところにあります。デザインの本質は、オーナー様のコンセプトを「来店するお客様が心地よいと感じる空間体験」に翻訳することです。

■ 抽象的なイメージを、空間の具体要素に変換する

デザインの出発点は、オーナー様の頭の中にあるコンセプトやイメージを「空間で表現できる形」に変換することです。「白を基調としたい」「大人の隠れ家のような雰囲気」「ナチュラルで入りやすいお店」――こうした抽象的なイメージを、色彩・素材・照明・レイアウトの具体的なプランに落とし込んでいくのがデザイナーの仕事です。アースラインでは、ディレクター(専任の進行担当)がオーナー様の希望・夢・イメージをとことんヒアリングし、デザイナーと共有することで、この変換の精度を高めています。

■ ラフからパース、仕上げへと段階的に精度を上げる

デザインは一度で完成するものではありません。初回は平面ラフプランからスタートし、その後、外観・内装パース(完成予想図)、仕上げのプレゼンテーションへと打ち合わせを重ねていきます。段階を踏むことで、オーナー様が頭の中で思い描いていたイメージと実際のプランのギャップを少しずつ埋めていけます。このプロセスで大切なのが、ディレクターの存在です。デザイナーはデザイン・美観にこだわるのが一般的ですが、ときにオーナー様のご希望と意見が食い違うこともあります。ディレクターがオーナー様とデザイナーの間に立ち、「オーナー様の考え」と「来店客の声」の両方を代弁しながら調整を進めることで、見た目の美しさと実際の使いやすさを両立したプランに仕上がっていきます。アースラインでは、オーナー様が納得されるまで何度でもプランの調整を行っています。

■ お客様の「体験」をデザインする視点

デザインで見落とされがちなのが「お客様の体験」という視点です。空間は、オーナー様の自己表現の場ではなく、来店するお客様が心地よいと感じ「また来たい」と思える場であることが前提です。アースラインの成功する店舗とは?のページでは、繁盛する店舗の条件として「退店時にもう一度訪れたいと思ってもらえるお店」が挙げられています。これは料理やサービスの力だけで実現するものではなく、空間全体の体験設計が大きく関わっています。エントランスから席に着くまでの期待感、食事中の照明や温度がつくる居心地、退店時に印象に残るしつらえ――お客様の記憶に残る体験を、デザインの段階から意識して組み込むことが大切です。飲食店であれば料理をいっそう引き立てる空間を、サロンであればくつろぎを最優先にした空間を――「誰のための空間か」を常に判断の軸に据えることが、デザインの品質を決めるポイントです。

■ 居心地と価格のバランスを空間で実現する

繁盛する店舗のもう一つの条件として、「居心地と価格のバランスが良いこと」も挙げられています。居心地を左右する要素には、空間演出・温度・人通り・眺めなどがあり、その方向性はデザインの段階で決まります。客単価が高い業態であれば素材のグレードや照明演出に投資して空間の質を高め、客単価を抑えた業態であれば限られた予算の中で居心地の良さを最大化する工夫が必要です。ディレクターが「お金をかけるべきところ」と「少ない予算で仕上げるところ」を切り分け、オーナー様の資金を最大限に活かすデザインを提案します。

店舗設計の仕事|デザインを実現可能な図面と計画に落とし込む工程

デザインで描かれた空間の理想を、法規制・設備条件・寸法・運営の現実に接続していくのが設計の仕事です。「図面を引く」だけではなく、「そもそもこの空間は実現できるのか」を判断する工程でもあります。

■ 物件の「実現可能性」を設計の目線で判断する

設計の仕事は、図面を引き始める前から始まっています。物件の寸法や設備条件を確認する段階で、「この物件でオーナー様のやりたいお店が実現できるか」を設計的な視点で見極めるのです。スケルトン物件であれば排水管・排気口・電気容量・ガス管径といった設備インフラの有無、居抜き物件であれば既存設備が再利用できる状態かどうかを確認します。とくに重飲食の場合は排煙・換気設備の要件が大きいため、物件選びの段階で設計の目線が入るかどうかが、後の工事費や実現性に直結します。この判断が早い段階で入ることで、契約後に「想定していた設備が入らなかった」というリスクを大幅に減らせます。

■ 客席数・動線・厨房効率・収納まで含めたレイアウト設計

設計の具体的なアウトプットの中心となるのが平面レイアウトです。限られた面積の中で客席数を最大限に確保しつつ、お客様の動線とスタッフの動線を両立させ、さらに厨房の効率や収納スペースまで含めて検討します。レイアウト次第で確保できる席数や使い勝手には大きな差が出るため、見た目の良さだけでなく、実際の運営を想定した「使える空間」をつくれるかどうかが、設計の腕の見せどころです。アースラインでは、開店後のリサーチ結果も次のレイアウト設計に活かしながら、従業員・来店客双方にとって使いやすい空間づくりを追求しています。

■ 図面では伝わらない部分を「体感」で詰める

契約後の本設計フェーズでは、ラフデザインを施工可能な詳細図面に落とし込みます。保健所や消防署等への届出対応、建築基準法への適合もこの段階で処理しますが、これらは「面倒な手続き」ではなく、デザインの理想を現実に着地させるための必須プロセスです。ここで特徴的なのが、図面だけではわからない部分を実際に体感しながら詰めるプロセスです。アースラインでは、現場に図面どおりの寸法でテープを貼ってシミュレーションを行い、実際の距離感を確認します。照明や家具は、写真やパースだけでは印象がつかみにくいため、ショールームや現物が置いてある店舗をまわって実物を見て決めることもあります。お気に入りの絵や置物をディスプレイしたいご希望があれば、最適な設置場所を設計に組み込むなど、図面の外にある「仕上がりの質」をこの段階で追い込んでいきます。

さらに、お店のロゴ、ショップカード、リーフレット、メニューの撮影・制作といった周辺ツールも、設計フェーズの中であわせて対応できます。空間のデザインと販促物の世界観を統一することで、お店全体のブランドイメージに一貫性を持たせることが可能です。

店舗施工の仕事|設計意図を現場で再現し、形にする工程

設計図面が完成したら着工ですが、施工の仕事は「図面どおりにつくる」だけではありません。施工段階の本質は、デザインと設計で描いた意図を、現場の条件に合わせて調整しながら、どこまでブレなく空間に落とし込めるかにあります。

■ 図面と現場のズレをどう吸収するか

実際の施工現場では、設計図と現場の寸法が完全に一致しないケースが出てきます。既存の壁や配管の位置が図面の想定と微妙に異なる、搬入経路の制約で想定していた材料が使えないといった事態は珍しくありません。とくに重飲食のように設備が大掛かりな業態では、厨房の排煙ダクトや給排水設備と内装造作の取り合いが複雑になり、現場での判断力が一層問われます。このとき、現場管理責任者がデザイン制作部と連携しながら、設計図と実際の現場寸法を照合し、材料や施工方法を再検討します。デザインが意図した美観を維持しながら、強度や施工の現実性とどう折り合いをつけるか――この判断の積み重ねが、最終的な仕上がりの質を左右します。

■ 設計と施工の一貫管理がもたらすスピードと精度

設計と施工が別々の会社の場合、現場でズレが見つかるたびにデザイナーへ確認を取り、修正の承認を得てから作業を再開する必要があります。確認のやり取りに時間がかかるほど工期は延び、微妙なニュアンスが伝わりにくくなるリスクもあります。一方、デザイン・設計・施工を同じ会社が一貫して管理している場合は、現場での判断がスピーディに進み、設計意図からのブレを最小限に抑えられます。アースラインでは、企画・デザイン・設計・施工までをトータルプロデュースする体制をとっており、現場での微調整にも設計の意図を理解したスタッフが即座に対応できます。重飲食からミシュラン掲載の高級店まで幅広い業態を手がけてきた経験が、こうした現場判断の精度を支えています。

■ 完成前の検査と記録

引き渡し前には自主検査・社内検査を実施し、不具合への対処を徹底します。完成後に見えなくなる設備配管部分もすべて写真撮影を行い、記録として残します。施工の品質は、最終的に「設計の意図がどこまで再現されたか」で測られます。

まとめ|店舗デザイン・設計・施工の連携が、理想の店舗づくりを左右する

店舗デザイン・設計・施工の3つの工程は、それぞれが独立した専門領域でありながら、前の工程の意図を正しく受け取り、次の工程へつなぐ連携の質によって仕上がりが大きく変わります。デザインではお客様の体験を起点にコンセプトを空間に翻訳し、設計では法規制・設備・寸法・運営の現実とすり合わせ、施工では設計意図を現場で正確に再現する。どこか一つの工程だけが優れていても、工程間の受け渡しが雑であれば、仕上がりにはその「継ぎ目」が表れます。逆に、3つの工程が一つの意思のもとでつながっていれば、オーナー様の想いは空間にブレなく反映されます。この流れの質こそが、繁盛する店舗への第一歩です。

株式会社アースラインは、23年以上の実績を活かし、企画・デザイン設計施工をトータルプロデュースしています。工程間の連携を一つの会社で完結できる体制だからこそ、オーナー様の想いをブレなく空間に反映することが可能です。「まだイメージが固まっていない」という段階からでも、お気軽にご相談ください。施工実績は施工事例ページでご覧いただけます。

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