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13:スケルトン物件の店舗設計|自由度の高い空間づくりの進め方
目次
スケルトン物件の店舗設計|自由度の高い空間づくりの進め方
「コンクリートがむき出しで、内装や造作がほとんどない」――スケルトン物件は、店舗デザイン・設計・施工のすべてをゼロから組み立てられる、自由度の高さが魅力の物件です。理想の空間を思いどおりに形にできる一方で、判断すべきことが多く、「何から考え始めればいいのかわからない」と戸惑うオーナー様も少なくありません。進め方を誤ると、費用や工期が想定以上に膨らんでしまうこともあります。この記事では、スケルトン物件ならではのメリットと注意したいポイントを整理したうえで、自由度を活かして理想の店舗をつくるための設計の進め方を、実務の流れに沿って解説します。初めての出店でも全体像をつかみ、安心して計画を進められる内容を目指しました。
スケルトン物件とは|店舗デザイン・設計・施工の自由度が高い理由
スケルトン物件とは、内装や造作が撤去され、建物の構造躯体(コンクリートや柱・梁)が見える状態の物件を指します。前のテナントの内装や厨房設備の多くが撤去され、設備も新設・再整備を前提に検討することが多い物件です。ただし、配管・空調・ダクト・電気設備の一部が残っている場合もあり、どこまで利用できるかは物件によって異なります。
これに対して、前のテナントの内装や設備が残った状態で引き渡されるのが「居抜き物件」です。両者のコストや特徴の違いは別の記事で詳しく比較していますが、ここで押さえておきたいのは、スケルトン物件は店舗デザイン・設計・施工のすべてを、自分のコンセプトに沿ってゼロから設計できるという点です。
自由度が高い理由は、制約となる既存の内装や設備が存在しないことにあります。居抜き物件では、前の店の間取りや厨房位置、配管経路をある程度引き継ぐことになりますが、スケルトン物件にはその縛りがありません。客席のレイアウト、厨房の位置、動線、照明計画、素材選びまで、すべてを白紙の状態から組み立てられます。
そのぶん、決めるべきことは多くなります。壁・床・天井の仕上げから、電気・ガス・給排水・空調・換気といったインフラ設備の計画まで、一つひとつをコンセプトに沿って判断していく必要があります。この「自由度の高さ」と「決めることの多さ」は表裏一体であり、だからこそ、早い段階から店舗デザイン・設計・施工を一貫して相談できる体制が、計画をスムーズに進める助けになります。
スケルトン物件のメリット|ゼロからつくれる強みとは
スケルトン物件の魅力は、単に「自由につくれる」ことだけではありません。ゼロからつくれるからこそ得られる、いくつかの具体的な強みがあります。
■ コンセプトを空間にそのまま反映できる
大きな強みは、お店のコンセプトを妥協なく空間に落とし込めることです。「路地裏の隠れ家」「開放的なオープンキッチン」「和の落ち着いた空間」――どんな世界観であっても、既存の内装に引きずられることなく表現できます。コンセプトが空間のすみずみまで一貫していることは、お客様に「また来たい」と感じてもらえる体験づくりにつながります。
■ 動線と設備を理想的に設計できる
居抜き物件では、前テナントの厨房位置や配管に合わせてレイアウトを考える必要があります。一方スケルトン物件では、お客様の動線とスタッフの動線、厨房の効率を優先してレイアウトを組めます。とくに重飲食のように設備負荷の高い業態では、排煙・換気の経路や厨房機器の配置を最初から最適に計画できることが、開業後のオペレーションのしやすさに直結します。
■ 設備の状態が明確で、開業後のトラブルを抑えやすい
居抜き物件では、前テナントが残した設備の老朽化や不具合が、開業後に表面化することがあります。スケルトン物件では設備の新設・更新範囲を明確にしやすいため、こうした「見えないリスク」を抱えにくく、各設備の状態や保証も把握しやすくなります。長く使う店舗だからこそ、この見通しのよさは見逃せない要素です。
■ 物件の選択肢が広い
スケルトン物件は、内装やレイアウトを業態に合わせてつくり込みやすいため、立地や条件を軸に物件を検討しやすい面があります。とはいえ、電気容量やガス・排気といったインフラ条件による制約はあるため、「この場所でこの業態をやりたい」という希望は、物件の設備条件とあわせて見極めることが大切です。
スケルトン物件で注意したいポイント|費用・工期・インフラ条件
自由度の高いスケルトン物件ですが、計画を進めるうえで注意しておきたいポイントもあります。事前に把握しておくことで、費用や工期の想定外を減らしやすくなります。
■ 初期費用は居抜きより高くなりやすい
スケルトン物件は、内装も設備も新たに整備する範囲が大きいため、初期費用は居抜き物件より高くなる傾向があります。業態や物件条件によって変動しますが、近年の目安としては、重飲食で10坪1,000万円〜・20坪1,800万円〜、軽飲食で10坪800万円〜、美容室・サロンは坪単価90万円〜、物販は坪単価70万円〜が目安です。スケルトン物件ではインフラ整備が加わるため、同じ業態でもこの目安の上振れを見込んでおくと安心です。
■ 工期は長めに見ておく
設備を一から施工するため、居抜き物件に比べて工期は長くなりがちです。工事期間中も物件の家賃は発生し続けるため、全体スケジュールに余裕を持たせた資金計画が大切です。
■ インフラ条件を契約前に確認する
スケルトン物件で見落とされやすいのが、建物そのものが備えるインフラ条件です。電気容量やガスの引き込み、給排水管の位置、排気ダクトの経路などは、物件によって大きく異なります。やりたい業態に必要な容量や経路が確保できない物件では、追加工事費がかさんだり、そもそも業態が成立しなかったりすることもあります。契約前に、以下のような項目を確認しておくと安心です。
| 電気容量 | |
|---|---|
| 確認・検討のポイント | やりたい業態に必要な容量を引き込めるか |
| 費用・計画への影響 | 容量が不足すると増設工事が必要になる |
| ガス | |
| 確認・検討のポイント | 引き込みの有無と容量 |
| 費用・計画への影響 | 重飲食ではとくに重要。引き込み工事が高額になることもある |
| 給排水 | |
| 確認・検討のポイント | 給水・排水管の位置と口径 |
| 費用・計画への影響 | 厨房・水まわりの配置の自由度に影響する |
| 排気・換気 | |
| 確認・検討のポイント | ダクトの経路、屋上への立上げの可否 |
| 費用・計画への影響 | ビル内では業態の成立を左右することもある |
| 空調 | |
| 確認・検討のポイント | 既設設備の有無と能力 |
| 費用・計画への影響 | 新設する場合は費用が上乗せになる |
■ 原状回復の条件も確認しておく
退去時に物件をどの状態に戻すか(原状回復)の条件も、契約前に確認しておきたい項目です。スケルトンで借りた場合はスケルトンに戻すのが一般的ですが、契約内容によって範囲は異なります。出口の条件まで見据えておくことで、将来の負担を見通しやすくなります。
自由度を活かす店舗設計の進め方|コンセプトから逆算する空間づくり
スケルトン物件の自由度を活かすカギは、「何でもできる」状態を「コンセプトから逆算して絞り込む」プロセスに変えることです。ここでは、理想の空間をつくるための設計の進め方を、流れに沿って整理します。
■ ステップ1:コンセプトを言語化する
自由度が高いからこそ、出発点となるコンセプトの明確さが空間の完成度を左右します。「誰に・何を・どんな体験として届けるのか」を言葉にしておくことで、レイアウトや素材選びの判断に一貫した軸が生まれます。コンセプトが曖昧なまま設計を始めると、選択肢の多さに迷い、まとまりのない空間になりやすいので注意が必要です。
■ ステップ2:レイアウトと動線を設計する
コンセプトが固まったら、客席数・動線・厨房効率を踏まえた平面レイアウトを組みます。スケルトン物件では制約が少ないぶん、お客様の動線とスタッフの動線を理想的に分け、回転率や働きやすさを高める設計がしやすくなります。限られた面積でも、レイアウト次第で確保できる席数や使い勝手は大きく変わります。
■ ステップ3:インフラ設備を計画に落とし込む
レイアウトと並行して、電気・ガス・給排水・排気・空調といったインフラ設備を計画します。とくに重飲食では、排煙・換気の経路を内装デザインと整合させながら設計する必要があり、ここで設計と施工の知見が問われます。設備計画とデザインを切り離さず、同時に詰めていくことが完成度を高めるポイントです。
■ ステップ4:素材・照明・什器で世界観を仕上げる
空間の骨格が決まったら、素材・照明・什器でコンセプトの世界観を表現します。図面やパースだけでは印象がつかみにくい部分は、ショールームや実物を見ながら決めると、仕上がりとのギャップを抑えやすくなります。
■ ステップ5:法規制への対応を並行して進める
保健所・消防・建築基準法への対応も、設計と並行して進めます。スケルトン物件では、業態・規模・物件の状況によって、用途変更や検査済証の確認が必要になる場合もあるため、早い段階で各窓口への事前相談を見据えておくと、後の手戻りを防ぎやすくなります。
スケルトン物件の設計・施工を成功させるパートナー選び
スケルトン物件は自由度が高いぶん、設計と施工を任せるパートナーの力量が、仕上がりと費用を大きく左右します。会社選びで確認しておきたいポイントを整理します。
■ デザイン・設計・施工を一貫して任せられるか
スケルトン物件では、コンセプトを反映したデザイン、それを実現する設計、現場で形にする施工が、密に連携する必要があります。デザイン会社と施工会社が別々の場合、意図の受け渡しでズレが生じ、仕上がりや費用に影響することがあります。店舗デザイン・設計・施工を一つの会社で一貫管理できる体制であれば、コンセプトが最初から最後までブレずに空間へ反映されやすくなります。
■ インフラ設備の設計力があるか
スケルトン物件の成否は、目に見える内装だけでなく、電気・ガス・給排水・排気といったインフラ設備の設計力に支えられています。とくに重飲食のように設備負荷の高い業態では、排煙・換気計画の精度が完成度を左右します。私たちアースラインは、23年以上の実績の中で重飲食の施工を数多く手がけており、設備負荷の高い業態の設計・施工を得意としています。
■ 物件選びの段階から相談できるか
スケルトン物件のインフラ条件は、物件選びの段階で見極めておくことが、後のリスクを抑えるうえで効果的です。物件契約前から相談できる会社であれば、「この物件でやりたい業態が実現できるか」を早い段階で確認できます。アースラインでは、物件の見極めの段階から設備条件をあわせて確認し、オーナー様の計画に伴走しています。施工事例は施工事例ページでご覧いただけます。
まとめ|スケルトン物件は、コンセプトを起点に自由度を味方につける
スケルトン物件は、店舗デザイン・設計・施工のすべてをゼロから組み立てられる、自由度の高さが魅力の物件です。その自由度を活かすカギは、明確なコンセプトを出発点に、レイアウト・インフラ設備・素材・法規制への対応を一つずつ丁寧に組み立てていくことにあります。初期費用や工期、インフラ条件といった注意点を事前に押さえ、信頼できるパートナーと進めることで、理想の空間を無理なく形にしやすくなります。
株式会社アースラインは、23年以上の実績と、重飲食からミシュラン掲載の高級店まで幅広い業態を手がけてきた経験を活かし、企画・店舗デザイン・設計・施工をワンストップで提供しています。東京23区を中心に全国対応が可能ですので、「スケルトン物件で理想の店舗をつくりたい」という段階からでも、お気軽にご相談ください。費用の考え方やご相談の流れは費用目安ページでもご確認いただけます。
株式会社アースラインです。お知らせなどを発信しています。
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